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第17回【さより/おしどり魚図鑑】

「春の訪れを教えてくれる、それがさより」

季節の変わり目には魚介の種類も増えてきます。

昔は今のように暖房器具もないため、春の訪れには今以上に喜びを感じていたはず。

春の魚介といえば、まだいさくらえびなど数多くありますが、江戸前といえばこのさより

今回はさよりについて紐解いていきます。

 

「さよりみたいな人とは?」

透き通った身とキラキラした皮が美しいため、お造りにむいている魚です。

魚体としては、細長い光物なのでさんまなどを想像して頂けるとイメージが沸くと思います。

漢字では「細魚」や「針魚」と表現します。

そんな見た目から「えんぴつ」や「かんぬき」などと呼ばれることもあります。

中を開くとお腹(腹腔膜)が黒いのが特徴。

そんなことから「外見は美しいが腹が黒い」ということで、腹黒い人という比喩表現で使われることがあります。

 

 

「春ネタの代名詞」

江戸前寿司のイメージが強いですが、昔はこはださばなどと同様に酢〆にされていた名残りでもあります。

今はそのままの味を活かせるため、生で食べる事が多いです。

旬は3-5月で、三陸などの北側では初夏まで獲れます。

見た目はキラキラとした銀色ですが、味は白身魚に似ています。

身は引き締まっており、脂はほとんどなく淡白な味が特徴です。

寿司はやっぱり季節を楽しむもの。

このさよりが春の訪れを伝えてくれます。

 

■名前の由来

「沢に寄る」特徴から「さより」となったと言われている。
漢字では細魚、針魚などその細長い見た目から。

■主な産地

北海道から九州まで日本各地で水揚げされる。
九州以南ではほとんど獲れない。主な産地は千葉県、福井県、石川県、香川県など。

■生態

・寿命は2年ほどで大きさは30cm前後がメイン
・危険と感じると空中をジャンプして回避する。トビウオに似ている。
・群で行動する海水魚。稀に川などの淡水に渡ることもある。
・プランクトンや海藻を食べる。

■食べ方

その見た目の美しさからお造り(刺身)で綺麗に盛られることが多い。
他には寿司ネタやお椀、てんぷら、塩焼きなど。

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