「栄養価に恵まれた海のミルク、これが牡蠣」
冬になると自然と食べたくなる食材といえば、牡蠣。
殻付きの身にレモンを絞り、ツルっと食べれば広がる濃厚な味。
意外と知られていないですが、牡蠣には多数の種類があります。
今回は中でも食用では最もメジャーな二種類をピックアップしていきます。
「食用は主に二種類」
そんな牡蠣ですが、実は食用は二種類存在します。
一般的に牡蠣と言われているのは、真牡蠣(まがき)のことを指します。
冬が旬で日本で牡蠣と呼ぶ場合は、こちらになります。
真牡蠣とは旬が逆で夏に美味しいのが、岩牡蠣です。
岩牡蠣は真牡蠣より殻が大きく、ゴツゴツしていてその名の通り岩のような見た目をしているのが特徴です。
また、真牡蠣は流通しているほぼ全てが養殖物で、岩牡蠣はほとんどが天然物になります。
真牡蠣の養殖は古くは室町時代に始まったと言われているほど、日本人と牡蠣の繋がりは深く、食には欠かせないものということで発展したと考えられます。
一般的に養殖物と聞くと天然物に劣るというイメージがありますが、真牡蠣の場合は逆で身が大きく味が良いのが養殖物の特徴です。
元々、岩などに着生したらほとんど動かないため、筋肉が退化し身のほとんどが内臓です。
牡蠣の独特の風味は内臓の味になります。
一方、岩牡蠣の生息地は上質なプラクトンが豊富な場所に限られるため、天然物が良いとされています。
10m前後の海底にいるため、未だに一つ一つ海女さんによる素潜りで獲られていることも多いのが特徴です。
真牡蠣に比べると大きさは歴然で、身を一口で食べるのはちょっと難しいくらいです。
また大きさや希少さゆえに、真牡蠣よりも岩牡蠣の方が高価になります。
「抜群の栄養価」
牡蠣は海のミルク呼ばれるのはその栄養価の高さにあります。
グリコーゲン、天然タウリン、亜鉛、DHAやEPA、ビタミン、ミネラル、カルシウムとあげるとキリがないほどです。
上記の栄養素から美肌効果、疲労回復、脳の活性化、二日酔い防止、味覚障害防止、貧血予防などこちらもあげるとキリがないほどです。
牡蠣を食べる人は病気が少ないと言われており、バランスの良い栄養が豊富に含まれているからです。
今日まで牡蠣がこんなにも人気なのは美味しいだけではなく、体に良いと点も見逃せません。
■名前の由来
食べる時に殻を砕き「欠いて」とる、「掻き」だして食べる」などの語呂から(諸説あり)
漢字での表記は「牡蠣」ですが「蠣」だけでも表します。これは牡蠣がオスしかいないと勘違いされていたことに由来します。
■主な産地
<真牡蠣>広島は全国の50%を占める。他には宮城、岡山、岩手、兵庫などで養殖が盛ん。
<岩牡蠣>石川、島根などの日本海側、三陸など。
■生態
・真牡蠣、岩牡蠣どちらもほとんど動くことがない
・海水を体内に入れ、プランクトンなどを吸収し濾過して吐き出す。1日100Lほど。
・筋肉は退化しているため、ほとんどが内臓。
・大きさは真牡蠣で10cm前後が主流。岩牡蠣は20cm前後。1kgを超えるものも稀にある。
■食べ方
生食が主流。蒸しや焼きなどでも食す。料理ではフライにして食べるのが日本では人気。他には鍋や天ぷらなど。広島ではカレーや炊き込みご飯、お好み焼きなどでも食べる。
<蒸し牡蠣/真牡蠣>
<岩牡蠣>